こんにちは~。
昨日、今日と、爽やかな週末ですね。
先週の大雨が嘘のようです。
しかし・・さっきまで見ていたのですが、サッカー・コートジボワール戦、残念でした!
でも、次に期待しましょう。
・・・・という事で、唐突ですが、(^^; 黒猫ハッピーの最終話を語らせて頂きます。
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私の父・テツローは、北海道の地方銀行の行員でした。
若い頃は、政治家になりたいという夢があったようで、室蘭から東京に出て、中央大学の法学部の学生になりました。彼の祖父の代に山形県米沢で没落した旧家の再興、という事も頭にあったと思います。
しかし、太平洋戦争が激しくなるとともに、祖父が在学中に亡くなった事もあり、学業半ばで室蘭に戻りました。
戦中・戦後の大変さはどこの家庭も同じでしたが、父は姉妹や弟、病弱な母親を抱えて、頼る人もなく、とても苦労しました。
そんな父の夢は、子供の頃読んだ西洋偉人伝の影響で、立派な洋犬を飼う事。良し悪しは別として、血統書付きの犬にこだわったのは、その頃読んだ本の影響のようです。
なので、私は物心つく頃から、スピッツ、ワイヤーテリア、スコッチテリア などに囲まれて育ちました。
・・・子供の頃の私からみれば、血統書にこだわるなんて、犬に対する本当の愛情ではない、ただの「見栄」としか思えませんでした。ボスの死のあとでもその思いはずっと拭えませんでした。
実は、これが、私の父に対する怒りの象徴のひとつでもありました。
…さて、ハッピーの話に移します。
北国にやっとおとずれたある穏やかな夜、夕食後にちゃぶ台を囲んで家族がくつろいでた時。
いきなり父が、珍しく、(-.-)y-~「ハッピー。」とやさしく呼びました。
何かで腹を立てた時以外、父がハッピーを呼ぶ事などないので、母も姉も私も何が起きたのかと、固まってしまいました。
ハッピーは、目を閉じたまま、耳をちょっと動かしただけで、例の茶箪笥の上から動きもしません。まず、父のところには、寄り付かない猫でした。
(・∀・)
父は照れ臭そうに、(-.-)y-~「いや、ちょっと・・。」
皆が、父を見つめます。
父はしばらく黙っていました。
(-.-)y-~「実はなぁ・・。ボスが死んだのが朝5時過ぎだったろ。母さんは、茶の間でうたたねしていた。だから、父さん一人で見送ったんだけど、子供の頃からの夢が消えてしまったようでな。俺の人生はいつもこうだ、とか思ったりしてな。・・・ちょっと涙が出てたんだわ。」
「そしたら、なんか、背中が暖かいわけ。ふと、気が付いたら、ハッピーが、俺の背中にすり寄っているのさ。 そしてそれから、俺の膝の上に乗ってきて、
前足を、こう俺の胸に当てて、ニャーンて鳴いたんだわ。俺、びっくりしてな、ハッピーを見たら、ハッピーも、俺の目をじっと見てるわけ。…どれくらいそうしてたかな…。」
家族みんなが、ちょっと言葉がでませんでした。
ハッピーは、その間もじっと目をつぶったまま。
父の話を聞いていたのかいないのか・・。
静かな夜でした。
…それから、ハッピーが父に近づいた事は、私の記憶の限りありません。
昨日、姉に電話して聞きましたが、姉も覚えがない、との事。
なにしろ、父の猫嫌いは筋金入りでしたから、それはない、と思います。
だからこそ、前回お話しした事と、父から聞いたこの事だけが、鮮やかに記憶に残っています。
その後、我が家は父の転勤に伴い、旭川に引っ越しました。寒さの厳しい土地です。
ハッピーは、そこで亡くなりました。享年は6歳くらいだと思います。
残念ながら、最後は家族のだれも看取ってはいないのです。
年老いて体調が悪くなっていた彼女は、いつもじっと目を閉じていました。
時々、なにかの物音に目を開けて、猫にしては優しすぎる目で私たちを見ては、また目を閉じました。ふと見ると、まるで置物のようでした。
そして、ある日、忽然と姿を消しました。季節は、秋だったと思います。
家族みんなで、必死で探しましたが、見つかりませんでした。
そう、猫嫌いのあの父も。
銀行から帰ってきた彼は、背広のまま雨の中遅くまで 探しに出ました。
あまり遅いので、心配していたら、肩先を濡らしながら帰ってきました。
玄関先で一言、「いない。」と言ってお風呂場に行きました。
長い事、出てきませんでした。
母と姉は、ずっと泣いていました。
猫は、親しい者には死期を知らせない、死ぬ姿を見せない、といいます。
まさしくそのいい伝え通りでした。
その年の春、私たち家族は父の転勤で、旭川を離れ、函館へ移り住みました。
私が小学校6年になる時でした。
トラックには、飼っていた犬が不安そうに移動用の檻に入っていました。
しかし、猫用の檻は・・・旭川の家の物置においていきました。
新しい土地で我が家はまた、猫を飼う事になります。
ご近所からたのまれた事で、もらう事になったのです
不思議な事に今度の猫も黒猫で、喉元に同じように親指大の白い毛が生えていました。名前はハッピーを受け継がせました。
また、猫を飼う事に着いて、父は何も言いませんでした。
相変わらず猫嫌いなので、新しいハッピーもやはり父にはなつきませんでしたが。
この子も6年くらい家にいて、それなりに幸せに暮らしていましたが、やはりある日いつの間にか消えてしまいました。
同じように悲しかったのですが、我々家族は、やっぱり来る日が来たんだ、と悲しみの中で納得していました。
会うは別れの始め。だから今、目の前にいる者を、人に限らず、動物に限らず、この瞬間に愛おしみたいものです。
長い話にお付き合いいただき、心から感謝します。
実は…、この拙文を書き進めていくうちに、父が、本当は飼っていた犬達、猫達を、本当は家族のように大事に思っていたんだと、改めて気づく事ができました。
それが本当に嬉しい。
ありがとうございました。
「ありがとう」 by KOKIA
皆さま、良い週末を!
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