- おはようございます。
ラッキーの話を続けます。
すいません、今日は、少し長くなります。
昨日は、救急病院で、ラッキーが余命宣告を受けた事をお伝えしました。29日(火)の午後2時頃の事でした。
・・・・・・
病院で処置をしてもらって元気になったラッキーは、家へ向かう車の中では、家人と娘がいる事が嬉しいようで、時々、クンクン、と甘えておりました。
とりあえず、庭に連れて行くと、そのまま犬小屋へ行きました。
獣医さんは、いつ何があってもおかしくは無い と言っていたので、家の中に入れる事も考えました。
しかし、ラッキーは、庭が好きで、特に暑い夏場や冬の寒い時、家の中にいれるとかえって落ち着かなくなるので、重症になるまでは、普段通りにしてあげようと思いました。
また、今年の冬は暖かいという事もありました。
この日と翌30日は、朝晩の短めの散歩と、わずかな餌と、大量の水。
31日大晦日は、娘と息子が仕事休みで、昼と夕方の2回、散歩に連れて行きました。
子供たちを大好きなラッキーは、喜んで、お気に入りの広場に寝転んで、いつまでも帰ろうとしなかったとの事。
餌は、ほんの少しだけ。しかし、落し物は、普段より多め。
子供達も不思議がっていました。
子供たちとの2回目の夕方の散歩から帰ってきた時の事。
玄関で話声がするので、2階で新年の神棚の飾りつけをしていた私が下りていきました。
玄関にはラッキーと家人、子供達がいました。ラッキーは、私が持っていた神棚の物を興味深げににおいを嗅ぎました。
( ̄o ̄) 「年明けに、N動物クリニックに行って入浴・マッサージしてもらい、家の中にいれてやろう。家中毛だらけになるけどね。」
Nクリニックは、行きつけの動物病院では無いのですが、1年に1回、入梅前にサマーカットしてもらい、入浴と体のケアをしてもらっていました。
皆、うなずき、ラッキーは庭に戻っていきました。
・・・しかし、私の見通しは甘かった。
なぜ、その日のうちに、家に上げてあげなかったんだろう・・・。
例年になく気が重い元旦を迎えました。
朝、何事もなく、伸びをしながら小屋から出てきたラッキーを見て、ほっと安心。
散歩の前の習慣で、私からリードを受けとり、口でくわえて、私の足の間を何回もくぐります。
その後、寝そべって、お腹を見せるのですが、この日は、そのまま伏せをしてしまったのが、いつもと違う所でした。
いつものように、天祖神社へ。
元旦なので、通常と違い、門を大きく開け放してあります。 境内には誰もいず、いつもかわいがってくださる世話役さんの姿も見えません。
ラッキーは、少し探していましたが、諦めて、私の参拝の間、伏せをして待っていました。
いつもは、入り口のあたりで立って待っているのですが。
やはり、疲れてるんだな、と思いましたが、ラッキーは、通いなれた散歩道を元気に歩いていきます。
途中、犬友さんから、「お利口さん!」と言われて、軽く尾を振って挨拶。
もっとも、元旦なので、一人しか出会いませんでした。
ちゃんと出すものを出しました。殆ど、食べていないのに、不思議だな、と思いました。
そして、いつも行く公園で、水を飲みたがりました。
しかし、この数日は朝は寒かったので、家でお湯を用意させていました。
冷たい水を飲ませたくなかったので、「ラッキー、帰ろう!」と促しました。
しかし、珍しく頑固でした。
水道から離れず、私の顔をじっと見ています。
何かをわかっているような、訴えるような眼でした。
仕方なく、水道の蛇口をひねりました。
思った以上に大量に水を飲みました。はらはらしました。
何故、そうしたかは、後になって分かりました。
やっと飲み終わり、いつものようにお気に入りのベンチに上がりました。
最近は、疲れているのかすぐ坐りたがるのですが、この日は立ったままでした。
ふと思いついて、写真を撮りました。動画も少し。
お気に入りの公務員住宅の広場を通り、家に戻りました。
( ̄o ̄) 「ラッキー、お疲れさん!」
と言いながら、庭にはいったその途端、
ラッキーは、いきなり、大量に嘔吐しました。
胃の中は空っぽでしたから、全部が先程飲んだ水と胃液と少量の血液。
まるで、体の中をすべてきれいにしておこう、というような 感じでした。
小屋で休ませて様子をみました。
落ち着いて、じっとしていました。
しかし、昼になって、妻と相談のうえ、家に入れました。
なかなか、動かず、玄関に回るのもやっと。
抱き上げて、居間に運び、ストーブの近くに毛布やシーツを敷いて、その上に寝かせました。
彼は、ずっとうずくまっていました。
うとうととしている感じ。
こんな事なら、昨夜、家に入れてあげればよかった。
後悔が胸を刺しました。
でも、少しずつ元気になって、顔を上げて周りを見回しています。
落ち着かないのかな、と思いましたが、そうではなく、ここにいるのを喜んでいる感じ。
それを見て、少し、安心しました。
それで、午後3時半頃、私は自転車で、近くの父のケアハウスへ行く事にしました。
出掛ける時、ラッキーは頭を上げて、私の顔をじっと見ました。
大きくて澄んだ優しい目でした。
まさか、と思っていたのですが。
ケアハウスで一時間くらい過ごしました。この日は、車いすに父を乗せて、館内を一周。その後、ケアハウスで暮らしているおばあさん達に、歌をせがまれて、いつもより時間が遅めに。
自転車で家に向かう途中、わたる寸前で西武新宿線の踏切が遮断。
遮断機が上がって少し走ったところ、あと数分で家、という辺りで、
ジャンパーの胸ポケットの電話が鳴りました。
家人からでした。
(・_・)「今、どこ!? ラッキーが・・!」
( ̄o ̄) 「え!今、帰り道だから、すぐだから!」
(・_・)「早く、早く!」
自転車を飛ばしました。
早稲田通りの信号も無視。
靴を脱ぐのももどかしく、家に駆け込みました。
・・・しかし、玄関で聞こえた、家人の泣きながらラッキーを呼んでいる声が、すべてを語っておりました。
居間には、ラッキーを懸命に撫でさすっている家人の姿。
走りこんだ私は、ラッキーの頭を抱え、彼の名前を大声で呼び続けました。
しかし、既に幽明境を異にしておりました。
僅か、数分の差で間に合いませんでした。
(・_・)「ひどいよ、ラッキー、なんで、お父さんを待っていてくれなかったの・・!」という家人の泣きながらの訴えが、胸に響きます。
私もラッキーの頭を抱えて、名を呼び続けましたが、答えてはくれません。
しかし、まだ暖かく、毛もやわらかく、まるで生きているかのよう。
だけど、泣いている妻と、一生懸命ラッキーをさすりましたが、還ってはくれませんでした。
私は、静かに彼の目を閉じ、口を閉じました。
私の掌には、ほんの少しの湿り気が残りました。
そして、だんだんと冷たくなっていく、その彼の頭の重さを両腕で感じていました。
いつの間にか 居間の中はすっかり暗くなってしまっていました。
家人も私も、もう、ラッキーに呼びかける事も無く、ただ、彼の体をなでているだけでした。
ガスストーブの光が少しだけあたりを照らし、燃える火の音だけが静かに響いておりました。
(続)

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